jedinobyの日記

気ままに、思ったことを書き連ねていこう

小田嶋隆

 彼の名前を聞いたのはいつのころだったろうか。いつの間にかラジオでときどき耳にするようになっていた。そして週に一度ラジオで彼の世相を切る言葉を聞くようになって何年かが経っていた。

 彼が病気で入退院を繰り返していることも、アルコール依存症から生還したことも知っていた。しかし突然の訃報を聞いたときまさかと思ったのだ。彼が病気と闘っていたことも忘れて。

 彼が病床にありながら小説を書いていたことを知っていた私は彼のほかの著書を読んでもいないのにまずこの「小説」だけは読みたいと思った。