jedinobyの日記

気ままに、思ったことを書き連ねていこう

この世界の片隅に

いろいろな人が絶賛する声を聞き絶対に観に行こうと思って行った。
金沢では大きな館ではやっていなくて、ミニシアター系の「シネモンド」というところでしか上映がなかった。行った日は年末の押し迫った、金曜日の夜だったのだが、観客の入りは約半分強といったところだった。シネモンド的にはそれでもヒットしているほうなのかと思う。どうやらロングランになるらしい。

さて、映画のなかみについてだが、まず観終わった後の感想だが、こんなものだったかと。実は事前にある程度のあらすじとすずさんの怪我のことを知っていたという事もあるのかもしれないが、こんなものかという感想になったのかもしれない。同時に感じたのは、若い人たちに観て欲しい映画だと思った。「永遠のゼロ」なんかに涙を流すより、国内に住むいわゆる銃後の国民の生活をたんたんと描いたこの映画のほうがより戦争を実感できたのではないかと思う。戦争が人々の生活をどのように変えて行ったのか、そして戦前、戦中、戦後の昭和の日本を知らない世代にはあの時代があって今の日本があるのであるし、それらはつながっているということを感じて欲しいと思った。

そして、何故私のこころに響かなかったのかを改めて考えているのだけれど、どうもよくわからないのだ。自分として結論はでないのだけれど、なんとか見つけた結論が、絶賛している人たちより私は年齢が上であり、彼らより戦争なり昭和なりがより現実的なものだったせいかもしれないと思った。ある人は「すず」が名前も顔もよく知らない人のところに嫁に行くところを解説していたが、私はよく知っているし、いや自分の両親もそれに近かったのだ。だから当時はすずが特別でなくてすごくありきたりの事だったし、食糧難の話は親や祖母などから聴いて育った世代でもある食料を絶対に粗末にするなという事は幼いころから叩き込まれた世代でもあるのだ。また、私が幼いころには金沢の街角に戦傷者が座って物乞いをする姿をよくみた。まだ戦後だったのだ。

また、父親は戦場に行っていた人間で、軍人だったという事もあるかもしれない。決して戦争は遠いものではなかった。

最後に思うのは、父が言っていた「戦争だけは絶対にやってはいけない」という言葉を大切に守って行きたいということだ。できうれば私達より下の世代、つまり両親も戦争を体験していない世代つまり戦争を知らない2世、3世たちに、安易に戦争を知らない2世、3世の政治家に騙されてはいけないということを伝えたいということだ。

今年の年賀状に以前の会社の同僚から会社を退職した今、「子どもたちに戦争の悲惨さを伝える活動」をしているという言葉があった。戦争体験者が亡くなって行く今我々世代が伝えて行かなければいけないという使命感をひしひしと感じた。